膠原病とは
膠原病とは一つの病気を指すのではなく、全身の様々な部位に炎症を起こす病気の総称であり、非常にたくさんの病気が存在します。
関節リウマチと同じく免疫の働きに異常が生じ、誤って自分自身を攻撃することで、関節や血管が炎症を起こし、発熱、関節痛、筋肉痛、皮膚の発疹、寒い時期に指先の色が青白くなる(レイノー現象)など多彩な症状が現れます。また、これらの症状と同時に、あるいはこれらの症状を伴わずに肺や心臓、腎臓、食道や胃腸などの消化管、肝臓、神経、眼などに症状が現れる場合もあります。
これらの膠原病の多くは難病(特定疾患)に指定されています。
しかし近年では、国内外からの様々な研究結果や新たな治療薬の登場により、その病気の活動性を抑える(寛解)ことが十分可能になりました。また、より安全性に優れる薬剤を用いることで、これまで生涯やめることが難しいとされ、長期に使用することで感染症や骨粗鬆症、心筋梗塞などの副作用が懸念されるステロイドの投与量を減らし、中止することも考えられる時代になりました。
上記のような症状がある、または膠原病が気になるといった方はお気軽にご相談ください。
主な膠原病
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 抗リン脂質抗体症候群
- 顕微鏡的多発血管炎
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
- 結節性多発動脈炎
- 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
- 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
- IgA 血管炎
- クリオグロブリン血症性血管炎
- ベーチェット病
- 成人スティル病
- 再発性多発軟骨炎
- キャッスルマン病
- TAFRO症候群
- IgG4関連疾患
全身性エリテマトーデス(SLE)
膠原病の中では比較的罹患率が高い病気です。傾向として20~30代の女性が発症することが多く、男女比は1:9となっています。
症状は、発熱や倦怠感、皮膚症状、関節炎、手足のむくみ、うつ状態などの神経症状、腎障害などが発現します。
紫外線で悪化する場合があるため、日光を避けることが推奨されます。
シェーグレン症候群
シューグレン症候群とは、涙腺や唾液腺などの外分泌線に炎症が発生してドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が生じる病気です。傾向として50代の罹患者が多く見られます。
根本治療が現在見つかっておらず、対症療法を行っていきます。発現している部位に合わせて、内服、点眼、塗布などのお薬を処方していきます。
全身性強皮症
全身性強皮症とは、手指の皮膚が硬くなり、やがてそれが全身に広がり腕や顔、食道や肺などの内臓にまで及ぶ病気のことです。この硬くなっている現象を線維化といいます。原因は免疫異常が関係しているのではと言われていますが、解明には至っていません。
発症初期は、レイノー現象が見られます。進行していくと皮膚が硬くなり、更に進行すると臓器などの硬化が発現していきます。
発症の男女比は1:10と言われ、圧倒的に女性の罹患が多い病気です。
多発性筋炎・皮膚筋炎
筋肉の炎症によって筋肉が破壊され、肩・腕・腰・太ももなどの筋力低下や痛みが発生する病気を多発性筋炎と言います。その中でも、筋肉だけでなく皮膚に赤い発疹などの症状も伴うと皮膚禁煙と診断されます。
原因は免疫異常と言われています。
傾向としては中年世代の罹患者が多く、男女比は成人で1:2とされています。また、中年世代以降の皮膚筋炎罹患者はがんが併発する割合が3~5割と言われています。